阿部亮の世界一周旅日記
司法書士法人新宿事務所・代表の阿部亮(あべ りょう)

私は、19歳の時、約1年をかけて世界を一周しました。
その旅で学んだ貴重な体験を、現在、司法書士として、またラジオパーソナリティとして、
皆さんにお伝えしたいと思っています。


中国の雲南省の山奥の村では、土砂崩れにあって3日間も閉じ込められました。
その時は、もう2度と故郷に帰れないと思い、故郷の大切さを学びました。

マカオという国では、カジノで始めてギャンブルをし、人間は自分が思っている以上に、自分をコントロールできないものだという事実を、身を持って知りました。

タイの歓楽街では、「良い仕事があるよ」と騙されて、売春宿で働かされている少女たちをたくさん見ました。

フィリピンのマニラでは、せっかく、日本まで出稼ぎに行って働いたけれど、結局、お金を貰えなかったと悲しんでいる女性とバーで夜中まで語り合いました。

カンボジアでは、日本語を勉強して観光ガイドになったサコンティエという名前の女性から、世界最高の遺跡群・アンコールワットの歴史を学びました。

ネパールの牧師さんからは英語を教えてもらいました。

インドのレストランの経営者からは、お客さんを心から大切にしなければ、商売はうまくいかないというルールを教えてもらいました。

僕が強盗に襲われたときパキスタン人のトキーラという名前の青年に命を助けてもらいました。

イランでは、お金が無くなってしまった僕に、見知らぬおじさんがお金を貸してくれました。

世界には、イスラム教、仏教、キリスト教などの宗教に関係なく、自分の危険や損を顧みずに、見知らぬ誰かを助けてくれる、心の優しい人がたくさんいることを知り、自分もそんな人間になりたいと思いました。

トルコの港町の教会ではロシア語を学びました。

中東アラブのイエメンという国では、学校に行かず道端で物売りをしている6歳の少年がこう言いました。
「僕の家は貧乏で学校に行くことはできないけど、もし、僕が学校で勉強ができるようになったら、みんなの3倍勉強して、早く読み書きや計算を覚えて、必ず、世界を驚かすようなビジネスをやってみせる!」と。

アフリカにあるエチオピアという国の銀行家が僕に言いました。
「世界で最も裕福な200人の資産は、人類全ての年収の半分に近い。
一方で、世界の人口の半分が1日2ドル未満で暮らしている。
また、世界には、平均月収が7,000ドルの国と、たった6ドルの国がある。
私は金融ビジネスを通じて、この余りにもひどい差を少しでも埋めたい。」

ニューヨークで出会ったアメリカ人の役者の青年が言いました。
「ニューヨークには、世界中の人々が夢をかなえるためにやってくる。でも、そのほとんどは、夢をかなえることはできない。
でも全ての人が夢を平等にかなえられる世界になったら面白い物語が生まれなくなってしまう。
そしたら、役者の僕は演じる物語が無くなって、廃業だよ!そしたら、世界中の人々が退屈することになるよ。
人間は、夢の実現と挫折を楽しんで生きる宿命なのさ。」

また、カンボジアではこんなエピソードがありました。
タイからカンボジアに飛ぶ飛行機代が払えなくて、バスで行ったんですが、途中、地雷原を通過した時に暗闇で立ち往生してしまった時のことです。

正直、「運転手も、乗客も、俺ら、終わったな」という雰囲気が漂い始めた時・・・
奇跡が起こったんです!
暗闇の地平線の彼方から、たいまつのような灯りを掲げて、地雷原の泥沼を走ってくる、つわものが現れたんです!
ちょうど、グリコキャラメルののマラソンランナーみたいな感じで・・・
3キロ以上は離れた地平線から走って近づいてくるんですよ!
そして、ついに、そいつがバスの前まで現れたんですよ。

裸足で、たいまつを掲げた、6、7歳くらいの少年でした
少年は、「僕はこの辺に住んでいて、道を知っているから、案内してあげる」と言って、先導するように、バスの前を走り始めた、まるで真夜中の聖歌ランナーのように。
少年とバスが走ること、10分。
ようやく、水没していない道にバスが無事に戻りました。
少年はバスの運転手から、いくらかのお金を受け取り、片言の英語で「イッツ、マイビジネス」とかつぶやきながら、満足した様子で、再び、たいまつを持って暗闇の地平線に向かって走って消えていきました。

バスの乗客全員は、ただただ感動して、その救世主の少年の背中を見送りました。
バスが、目的地であるシェムリアップに到着したのは、予定より6時間以上遅れた夜の10時ごろで、僕は疲れきって、安宿で、ビールを飲みながら、あの少年のことを考えました。

「あんなところに学校なんてあるはずないし、彼の身なりからいっても親の農作業を手伝って、学校にも行ってないんだろうな・・・」
「でも、あの年で、世の中のニーズを発見して、毎晩、暗闇で立ち往生しているバスを救助するビジネスを確立しているとするならスゴイ、ビジネスマンだよな〜」
「あの少年が、最低限の教育を受けたら、すごいビジネスを立ち上げそうな気がする!」そう思いました。

そして、その後も「学校に行かず、色々な商売を自分で考えては働いている10歳以下の子供達」をカンボジア国内でたくさん見たんですね。
「この子達が、このバイタリティと勇気を持ち、きちんとした教育を受けることができたら、きっと、すごい大人になるだろうな!」

それが、僕がカンボジアに学校を作ろうと思ったきっかけです。
僕は、世界一周の旅をする中で、毎日毎日、現地の人々に助けられ、教えられ、導かれて旅を続けました。
その度に、「ありがとう」という感謝の気持ちで胸がいっぱいでした。

自らを振り返ると、自分は旅人として世界の国々を通り過ぎていくだけで、お世話になった人々
たくさんのことを教えてくれた人々に、何も恩返しができていないことがずっと心残りでした。
そこで、これからの人生は、NGO活動を通じて、少しでも世界の人々に恩返しができたらと思いました。


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